お久しぶりです、アマチュア雀士のserennです。
今日はみなさんに麻雀の†本質†を教えてさしあげたいと思います。冗談です。
さて、みなさんはこのような牌姿に遭遇したことはありませんでしょうか?
12377m 1335p 45789s
今回の本題はここから何を切るか、についてです。
まず、本記事を書くきっかけになった動画はこちらになります。とてもおもしろいかつ実用性が高い何切る問題だと思ったので、本記事を書くことにしました。牌姿に関してもここからお借りしています。(牌姿に著作権はないと思いますが一応。)
まず切る候補としては1p3p5pの三択です。これ以外を切る選択肢はベタ降り以外ほぼないと思います。
仲間分けに関しては1p5p VS 3pという構図になると思います。
今回考慮する条件と考慮しない条件は以下の通りです。
考慮する条件
・1335だけでなく、2446、3557の場合
・対子側が7ではなく、1や2といった場合
・赤5を含む場合
考慮しない条件
・場況
ちなみにこの問題は場況よりも手牌に依存する部分が非常に大きいのでその点でも良問だと思います。逆にこの問題に対して脳死で「場況による」とだけ回答する人ははっきり言って強くないか、何切る問題に対していつも思考放棄しているのかのどちらかだと思います。
・(既存の面子の)ドラ
例えば動画では9sがドラとなっていますが、正直9sがドラかどうかはあまり関係ないと思います。ただしドラが2枚になると、リーチドラドラのみでもロンで5200、ツモで8000(7900)となり、合格点ないし準合格点が得られるので、その場合は手役より牌効率を重視することになると思います。
・もう片方のターツの形
正直もう片方がリャンメンでなくペンチャンやカンチャンでも大差ないと思います。
強いて言うなら手牌がその分弱いということになりますが、だからといってそこまで大きくは変わらないと思います。ちなみに対子の場合は結論から言うとX+2切りになります。(3対子形は弱いのでそれはそうですね。)
・ターツ部分が同色で干渉しあっている場合
めちゃくちゃ複雑になっちゃうので省略します。
それでは、場合分けしてそれぞれのメリット、デメリット、結論を述べていきます。
まず大前提というか、多くの人はご存知だと思いますが、どれを切ってもテンパイまでの単純受入れ枚数は16枚で同じです。
(1-1) 1335(赤5なし)の場合
まさに動画の通りの牌姿のときです。
1切り
・リャンメン変化4+4Y枚(うち、完全一向聴4Y枚)(Y=0,1,2)、ピンフ4枚
・タンヤオがつく
・筋ひっかけが消える
3切り
・リャンメン変化4枚、ピンフ8枚
5切り
・リャンメン変化4Y枚(うち、完全一向聴4Y枚)(Y=0,1,2)、ピンフ4枚
*Yは対子が19のときY=0、28のときY=1、34567のときY=2になります。
結論
まず、個人的には愚形側の受け入れが8枚か7枚かは天と地の差があると思っているので、基本的には愚形側の受入れ枚数が多い方を選んだ方が良いと思います。
(7枚VS6枚とか4枚VS3枚とかならなおさらそうです。)
あと三色が狙える場合は三色目は残した方が良いと思います。
そのうえで
・タンヤオがつく場合は1切り
・ピンフがつく場合は3切り
・ピンフもタンヤオもつかない場合は5切り
だと思います。
肝心の理由に関してですが、タンヤオとピンフがつく場合はまあお分かりだと思います。なぜピンフもタンヤオもつかない場合は5切りかというと、1切りと比べて、リャンメン変化が4枚多いというメリットを筋ひっかけができるというメリットが上回っているからです。なお、対子側が19の場合はリャンメン変化枚数が逆転するので3切りが良いと思います。
(1-2) 1335(赤5あり)の場合
5を切ったときのデメリットに赤5が消える、を追加
結論
赤5があるため、5切りが真っ先に消える
ピンフもタンヤオもない場合は1と3どちらを切ってもほぼ変わらないが、
1を切った場合、赤5を切ってリャンメン変化(完全一向聴)を取るという選択肢を取れる、符が上がる可能性がある
一方で3を切った場合、1を切ってリーチできる、ベタ降りするときに牌の種類が増える
したがって攻撃力の1切り、守備力の3切りともいえる
(2) 2446の場合
1335にほぼ同じであるが、1切りはタンヤオがつくというメリットが消え、
6切りは赤5の受け入れが消えるというデメリットがある
結論
1335にほぼ同じだが
・タンヤオがつく場合でも2を切らなくて良い
・ピンフがつかない場合は6切りが望ましいが、赤5の受け入れが消えるので2を切るという選択肢が少し優勢になる
(3-1) 3557(赤5なし)の場合
3か7を切る場合
・リャンメン変化4+4X枚(うち、完全一向聴4Y枚)(Y=0,1,2)、ピンフ4枚
5を切る場合
・リャンメン変化8枚、ピンフ8枚
結論
3切りと7切りは同様に確からしい
・ピンフがつく場合は5切り
・ピンフがつかない場合は37切り、ただし対子側が19の場合は5切りになり、28の場合はリャンメン変化枚数は同じになるが、完全一向聴がるので基本的には37切りが良いと思う
(3-2) 3557(赤5あり)の場合
結論
違いを見出そうとしたが、何を切っても赤5は使えるのであまり変わらない。
強いて言うなら5を切って28を引いたときのリャンメン変化が全然嬉しくなくなるので、さらに37切り優勢になると思う。
最終結論
ピンフがつく場合はリャンカン(X+2切り)を取って、それ以外は完全一向聴が取れる基本的にXかX+4切りが良い。
牌効率はX切りが強く、筋ひっかけができるのはX+4切りであるが、基本的に筋ひっかけが強いのでX+4切り優勢である。(3557を除く。)
ドラが何か、受入れ枚数が何枚かによって変わってくるが、ドラを切る、受入れ枚数が少ない方を取る、といった選択肢はほぼないといっていいほどドラおよび受入れ枚数の差の力が圧倒的だと思う。じゃあドラと受入れ枚数どっちを取るかは非常に難しく、それこそ場況によるのはもちろん、好みの領域でもあると思う。
自分は脳死で2対子にすることが多かったが、あながち間違ってなかったので良かった。ただ、ピンフがあるのに2対子にしていたり、牌効率を求めてX切りをすることが多かった気がするのでそこは猛反省。ちなみにあえて本文中で全く触れませんでしたが鳴いている場合は平和がつかないこととポンテンが取れることから不完全一向聴超優勢になると思います。
以上、何かの役に立てれば幸いです、では。
おまけ
実はこっちの方がよく見かけるかもしれない
135m556p55s+2面子
みたいな牌姿。
今回の牌姿と全然違うように見えて意外と基本的な考え方は同じ。
ただ、非常に大きな違いがあって、対子側の傍を引いてもリャンメン変化しない。(この牌姿においては)
そもそも優先順位としてはこれも同様に、
受入れ枚数・ドラ>タンピン三色(の可能性)>筋ひっかけ
なので、基本的には相変わらずピンフがあるならリャンカン残しであるが、ない場合も今回においてはかなりリャンカン残しが優勢になってくる。
比較すると
X+4切りのメリット
・リーチ宣言牌の前に筋ひっかけができる
・X+3を引いたときにフリテンであるものの完全一向聴を取れる。
・暗刻ができて符が上がる可能性がある
・対子側がリャンメンでない場合(例えば上記において556pでなく557p)、もう片方の対子がリャンメン変化する可能性がある
リャンカン残しのメリット
・X+5を引いたときにリャンメン変化できる
・リーチ宣言牌を選べる
・待ちを選べる
以上であるが、個人的には待ちを選べるというのが非常に大きいと思っている、どういうことかというと、リャンカン側をカンチャンに固定してしまうと、極端な話上記において2mが一気に4枚切られた際にカラテンになってしまう。のでリャンカンをカンチャンに固定しない方が良いと思うし、フリテン回避>完全一向聴であるとも思う。ただ、リーチ宣言牌の前に筋ひっかけできるというのも無視できないメリットであると思っていて、例えば自分のようなアマチュア雀士などによく見られるが、宣言牌の筋や宣言牌のまたぎ筋を異常に警戒する人がいるからである。実際のところ宣言牌の前で筋ひっかけを行ったときのロン率と宣言牌で筋ひっかけを行ったときのロン牌での比較データはあればぜひ見たい。あと書いた通りではあるが、もう片方の対子側がリャンメン変化する可能性も残せる、というかこっちのメリットの方が大きいと思う。長々と書いてきたが、今回の牌姿における最終結論は、受入れ枚数、ドラ、タンピン三色(の可能性)が全て同条件の場合は、対子側がリャンメン変化するならX+4切り、そうでないならリャンカン残し、だと思う。
以上、ふと実際に出てきてライブ中に色々考えた追記でした。
さらに追記
色んな牌姿をシミュレーションに入れてみたんですけど、平和の打点が低いのも相まってか、意外と簡単に覆るっぽいです。