東工大化学の選択肢は受験界隈では有名な通り(?)、記号を1つ、または2つ選ばせるものとなっています。これがただでさえ選択肢の切りづらい東工大化学をより一層難しくしていると考えられます。しかしこのような状況で一点でも多く点数をもぎ取るにはどのような選択肢の選び方をすれば良いのか、個人的に考えてみました。
(1)2つ正解が存在する場合と1つのみ正解が存在する場合の得点比
手元に駿台開催の東工大実戦模試の過去問、つまり青本2014,2016があったのでこれらのデータを使用していきたいと思います。本当はもう少しデータを多く集めたかったのですが…
というわけで計算すると
2つ正解が存在する場合
2つ共に正解で135点 1つ正解で97点 1つ正解1つ誤答で55点
1つ正解が存在する場合
1つ正解で58点 1つ正解 1つ誤答で31点となりました。これらのデータを近似するのもめんどくさいのでそのまま使用したいと思います。
(2)最適解
では結論を出しに行きましょう。つまり最適解です。最適解と言ってもどの選択肢は自信が〜%あって〜といった具合に場合が違ってくると思うの場合分けをしていきます。場合分けをすると言ってもほぼ無限に場合は存在するので自分が多く体験した場合について書こうと思います。
(i)正解確信0誤答確信0
正直あまり少なくない事柄だと思います。ではこの場合選択肢をいくつ適当に選べば良いのかについて考えます。
(i-i)選択肢を2つ適当に選んだ場合
2つ正解が存在する場合に2つジャストで正解できる確率は1/5C2=1/10 1つ正解1つ誤答となる確率は2C1×3C1/5C2=6/10 2つ共に誤答となる確率は3C2/5C2=3/10
1つ正解が存在する場合に 1つ誤答1つ正解となる確率は4C1/5C2=4/10 共に誤答となる確率は
4C2/5C2=6/10 では期待値を計算しましょう。
1/10×135+6/10×55+3/10×0+4/10×31+6/10×0=58.9
(i-ii)選択肢を1つ適当に選んだ場合
2つ正解が存在する場合に正解が選べる確率は2/5 誤答を選ぶ確率は3/5
1つ正解が存在する場合に正解が選べる確率は1/5 誤答を選ぶ確率は4/5
では期待値を計算します。
2/5×97+3/5×0+1/5×58+4/5×0=50.4
大差というほどではありませんがおそらくみなさんが予想していた通り2つ適当に選んだ方が良いようですね。
(ii)正解確信0誤答確信1
これも結構多いケースだと思います。それでは計算しましょう。これ以降は途中過程の計算を省略します。
(ii-i)1/6×135+4/6×55+1/6×0+3/6×31+3/6×0=74.66…
(ii-ii)2/4×97+2/4×0+1/4×58+3/4×0=63
これ以降正解確信0誤答確信n(1≦n)において正解を2つ選んだ方が良いことがわかりますが一応計算は続けます。
(iii)正解確信0誤答確信2
(iii-i)1/3×135+2/3×55+2/3×31+1/3×0=102.33
(iii-ii)2/3×97+1/3×0+1/3×58+2/3×0=84
(iv)正解確信0誤答確信3
(iv-i)1×135+1×31=166
(Iv-ii)2/2×97+1/2×58+1/2×0=126.5
(v)正解確信1誤答確信0
(v-i)1/4×135+3/4×55+4/4×31=106
(v-ii)1×97+1×58=155
(vi)正解確信1誤答確信1
(vi-i)1/3×135+2/3×55+3/3×31=112.6666…
(vi-ii)1×97+1×58=155
(vii)正解確信1誤答確信2
(vii-i)1/2×135+1/2×55+2/2×31=126
(vii-ii)1×97+1×58=155
(viii)正解確信1誤答確信3
(viii-i)1×135+1×31=166
(viii-ii)1×97+1×58=155
以上です。ちなみ正解が確信が2つあった場合は言うまでもなくそれらを選べば良いだけですし誤答確信が4つの場合もそれら以外の選択肢が正解となるだけです。
(3)まとめ
選択肢を2つ選んだ方が良い場合
正解確信0誤答確信が1以上 正解確信1誤答確信3以上
選択肢を1つのみ選んだ方が良い場合
正解確信0誤答確信0 正解確信1誤答確信2以下
以上です。データがあまり多くないため数値が正確とは言い難いのですがおそらくこれらが最適解になると考えられます。