1.全体において言えること
・解けなさそうな問題、計算量が多そうな問題は後回し(それはそう)
ただし計算量が多い問題をどこで見切りをつけるかは難しい、こればかりは慣れ
・1次第1問は時代によるが、地雷が多いので警戒しておく
上においても言えることだが、どの程度の計算量になるか可能な限り見立てを立てておく
・計算過程はなるべく丁寧に残しておく
・キーとなる値や条件は1つに固めるなど分かりやすいようにする
・何か書く
自明解でも分かっているなら書きましょう、白紙よりはマシです(部分点はもらえるらしいです)
あと後述しますが、解が推測できる場合はそれを書きましょう
2.各分野ごとのよくある解法について(受験でよく使う解法ももちろん必要ですがそれは知ってる人が多い上に書いていてもキリがないので数検でよく使うテクニックをピックアップします)
(0)全分野で使用可能汎用武器
・帰納的に値を予想
これはあまり良い方法ではありませんし、証明が必要とされない1次においてこのような値を予想しやすい問題が出ることは少ないです。ただ極限を求めるときに2.7ちょいになりそうだなってなったときに2.7と書くでしょうか、2.75と書くでしょうか、eと書きますよね、そういうことです。あとlog2も答えになることが多いですね、log2は0.3ちょい、ln2は0.7いかないくらいと覚えておいてください
・部分分数分解
特に言うことなし
まあ別に覚えてなくても良いですけど覚えておいたら多少の時間短縮にはなるので。
(1)因数分解・方程式・求値など
・複素平面上において考えてみる
(ex x^21-1=0を考えるときe^(2nπi/21)が解となることから、偏角を上手く相殺していく
・多項式をax^n+bx^(n-1)+...と仮定してゴリ押し
クソみたいな解法ですが、これが模範解答になるクソ問が存在します
だいたい計算量がエグいので時間が余ったときにやりましょう
まあこれは言うまでもなく重要ですね、同値性には気をつけましょう
・連立方程式のとき行列に持ち込む
係数行列が正則なら解は一意に定まる、0でないなら複数あるくらいは知っておきましょう。詳しくは行列のところで。
・解と係数の関係
覚えましょう
・整数解の次にωを代入する
数検協会はωが大好きです、とりあえずaωを代入してみましょう
・x±y、y±z、z±x、x±y±z(複合任意)が因数にあるか確かめましょう
x=±yを代入して0になるかとかですね、めんどくさい場合は正攻法でいきましょう
・相反方程式かどうか確かめる
これに気づけないとかなり痛いです、気づきましょう
・変数変換
積分の方にも書いていますが、こちらの方が工夫が求められますね
・2乗-2乗の形を作る
x^4+1とかは最たる例ですね、まあこの場合は複素数を使ってもできるのですが
・z=a+biと置く
ただのゴリ押しです、計算量には気をつけましょう
・変数に適当な値を代入
よくある解法ですが、考えやすくなるどころかそのまま答えが求まってしまうこともあるのでぜひ試してみてください
・複素数の乗除はargの加減になることを意識する
自明ですね
・2乗根とか3乗根は置換を使って処理
2乗根だと√f(x)=y、3乗根だとf(x)^(1/3)±g(x)^(1/3)=yとか置換することが多いです
2乗根を左辺右辺に移して両辺2乗はだいたい沼ります
・複素数において、とりあえず絶対値だけで考えてみる
方程式でいうと両辺の絶対値だけを考えるということですね
複素数における=とは絶対値が等しいかつargも等しい、という当たり前のことですが意識を向けましょう
・tan^(-1)が出てきた場合は加法定理の式に帰着できないか確かめる
•ライプニッツの定理
二項定理と同じやつですね。
基本使わなくて良いですが、たまに使うと便利です。
・ニュートン近似法
割とどの分野の人でも名前くらいは聞いたことあるのかなあって思います、実際数検で使うことあるんですかね、まあ工学的にも重要なので一応覚えておきましょう。
(2)極限
受験では物議を醸すやつですが1次は心置きなく使って良いです、それどころか2次ですらかなり採点が甘いのでそれとなく使えることを示しておけば問題ないと思います
計算の厳密性ガン無視でマクローリン展開を使いましょう。2~3項までを使うと十分求まると思います。
・Σf(k)の極限を求めるときにΣf(k)x^kを作って微積分であれこれしてxに何かを代入
特にΣf(k)/kの極限を求めるときにΣf(k)x^kを積分してx=±1を代入とかはよくあります、こればかりは説明が難しいですし、実際難しいので練習あるのみ
・区分求積法
これは受験でもよくあるやつですが、さらに派生して強引に総和を積分に近似っていう解き方があります
これは厳密性どころか答えが違ってくる、求まらないことが十分にあるのであまり推奨しません
・a_nが求まっていてもa_nの極限を求めるために元の式を利用(a_nを文字で仮定する)
a_nが求まっているのにa_n=~よりもa_nが整理されてない式を使った方が求めやすいのに不思議さを感じますね
・k^n/k!の総和の極限の求め方
多分知らないと解けないので知りましょう、最初見たとき感動しました
・収束条件
覚えましょう、コーシー、ダランベールが出題率が高いと思います
(3)行列
・逆行列
掃き出し法と余因子法があります、基本的に掃き出し法を覚えとくと良いですが、まれにユニタリ行列って気づくと一発だったり、まあ悪問ですね。
・係数行列
正則だと解が一意に定まります。 正則と同値の条件については調べましょう。
・det(A+B)det(A-B)とかdet(A+Bi)det(A-Bi)のやつ
なぜか異常に使います、知らない人も多いと思うので覚えましょう
・(主に)ケーリーハミルトンを用いた次数下げ
主にと書いたのはケーリーハミルトンが使えないことがあるからです、注意しましょう
ちなみにケーリーハミルトン、僕はアホみたいに公式覚えてましたがあれ単純にdet(A-λE)=0のλにA突っ込んだだけなんですよね。
・行基本変形において、全ての行や列を足してみる
固有値を求める問題でよくあるのですが、列と列を足してa-λを複数生成して今度は行で消したり因数を取ったりとかですね、まあここらへんは慣れということで
・対称、交代、直交、エルミート、歪エルミート、ユニタリ行列
性質と関係を覚えておきましょう。詳しくは調べましょう。
・行列のn乗
対角化できる場合とできない場合でそれぞれ覚えましょう
普通に両方使います
(4)積分
・部分積分
部分積分なんて受験でもたくさん使うだろって感じですが数検では部分積分できそうか怪しい形でも容赦なく使わせてきます。とにかくそれっぽい匂いがあったら部分積分を試みましょう。
覚えましょう
・変数変換や置換積分
ヤコビアンを含め積分ドメインの交換など、よく注意して計算を進めましょう
(5)確率統計
信頼区間は異常に出るので計算できるようにしておきましょう、たまに、というか結構ポアソン分布とか不変分散とかフィッシャーズのz変換とかわけわからないのが出てきますが、簡単なのはともかく普通に難しそうなら飛ばして良いと思います
典型的な問題なら解いて、そうでないなら飛ばすのが丸いと思います
あと余談ですが統計をそこそこ扱っている方でも信頼区間の意味を勘違いしている人がいるのでちゃんと確認しておきましょう
あと積分のやつ(雑)ですが、公式覚えてめちゃくちゃ簡単な積分をして終わり、みたいな問題も普通にあるのでぜひ得点しましょう
2変数関数の期待値、分散、共分散は意外と見落としがちなので注意です
E[X+Y] = E[X]+E[Y] ・・・常に成立
E[XY] = E[X]E[Y] ・・・「無相関」なら成立
V[X+Y] = V[X]+V[Y]+2Cov(X,Y) ・・・常に成立、したがって
V[X+Y] = V[X]+V[Y] ・・・「無相関」なら成立
上記の無相関なら成立、を独立なら成立と書いているところがめちゃくちゃ多いですが、無相関と独立は普通に違います。違いを知っておきましょう。工学徒の僕ですら気になるレベルです...
(6)整数
・a^b=(c-d)^bの変形
たとえば15^2010を128で割った余りを求めろって言われたときに128=2^7から(2^4-1)^2010に繋げられるかどうかです、これはまだ分かりやすい方ですがかなり拡張性の高い考え方ですのでぜひ覚えておきましょう
・n/m解析するときに(m-n)/mにしてみる
分子を扱いやすい形にしましょう。
(7)ベクトル
覚えましょう
・接平面の方程式、法線ベクトル
覚えましょう、なぜか異様に出題されます
(8)微分方程式
パターンがめちゃくちゃありますが典型的なのは以下の通りです
以下のどれにも当てはまらず、頑張っても特殊解が見つからなさそうな場合は諦めましょう
ただ数検の微分方程式は簡単なものが多いです、おそらく微分方程式、という概念自体がただでさえ難しそうなのにさらに難しくしては誰も解かなくなるからでしょう。
・(yy')'=yy''+(y')^2とか(y^2)'=2yy'
言われてみると当たり前だけど意外と気づかなかったりします。
•変数分離形
y'=f(x)g(y)って表せるやつです。
•同次形
y'=f(y/x)って表せるやつです
これ自体は簡単なのですが、f*1の形の解き方も覚えておきましょう。
•1階線形方程式
y'+p(x)y=q(x)って表せるやつです
q(x)=0だと導出が楽なのですが、q(x)≠0の場合だと式が複雑になるので注意。
導出はそんなに複雑じゃないので理解しておきましょう。
•2階線形方程式
y''+p(x)y'+q(x)y=r(x)って表せるやつです
r(x)=0のときの一般解とr(x)≠0のときの一般解を覚えておきましょう
ちなみにp(x)とq(x)が定数の場合2次方程式を解くだけですが、そうでない場合はx^mやe^(mx)やn次式や三角関数を代入して、それでも当てはまらないようであれば諦めましょう(さすがにそこまでエグい問題は出ないと思いますが…)
r(x)≠0の場合の一般解ですが、導出も式も意外と複雑じゃないので理解しておきましょう
導出は1度追ってみるとおもしろいですが、途中でc1'y1+c2'y2=0を仮定しています
Twitterでも書きましたがこれ結果論感が半端ないですね、工学徒魂が燃えます(?)
コラム的な扱いをされていることが多いですが最強です
具体的に言うとy'=f(x)g(y)も一種の完全微分形として捉えられます、実際に解が同じになることを確認しておきましょう
また導出も簡単なのでぜひ理解しておいてください
僕は電気電子系に所属しているのですが、級数展開法も出題されました
さすがにここまでは数検で問われないと思いますが、問われたらアドリブ力でなんとかしましょう…(投げやり)
以上で基本的に十分だと思いますが、これらの知識を駆使しても解けない場合は…前述の通りです、協会を信じましょう
*1:Ax+By+C)/(Dx+Ey+F